ようこそ。
朝霞暁月です。
「キャラクターイラスト描いてるんだけど、苦手な部分はついごまかしちゃう。」
デジタルイラストを描いている方のなかには、そういうお悩みをもっている方もいるかもしれません。
僕がそんな悩みから解放されたきっかけが、この1枚のイラストをはじめ、10枚のFanart fragment シリーズを完成させたことでした。
この記事を読み終わるころには、そういった悩みに対して、あなたなりの解決策が見いだせるはずです。
こちらの記事は、『Funart Fragment / FaustⅧ世 by SHAMAN KING』を描いた時の作業記録をもとに、描きたい角度でキャラクターの全身イラストを描くための練習方法について解説しています。
デジ絵でキャラクターイラストを完成させたことが出来なかった僕が、キャラクターイラストを完成させ、背景やエフェクトを駆使してイメージ通りの作画が出来るようになった過程を記事にしています。
全身イラストは苦手だけど、描けるようにならなきゃなぁ…というお悩みを持つ方でも、楽しみながら練習していただける内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
ちなみに制作した10枚のイラストはこちら
Faust Ⅷ世 Making
Fanart fragment projectは僕にとって、デジ絵上達のための練習期間でもありました。
なので、全てのキャラクターを全身が収まる構図で配置し、様々な角度から描いて、背景まで入れて必ず完成させるという縛りを設けて制作しています。
そんな作業を繰り返していくと、CLIP STUDIO PAINTの使い方にはじまり、エフェクトやレイヤの合成モード、色調補正やフィルターの使い方など、「こう表現したい!」という情熱に応じて勉強&使用していくことになるので、一度使用した機能をどんどん吸収していく形でデジ絵制作に慣れていくことができました。
僕自身まだまだ勉強は必要なレベルではありますが、練習のモチベが上がらないという方や、デジタルイラストを始めたばかりでなにから始めたらいいかわからないという方の参考なれば幸いです。
目標を掲げる
・苦手な角度、物質もごまかさず、資料をみながら描く。
制作過程
写真を撮る
描きたいポーズで自分の写真をとり、参考資料として使用します。
これが一番てっとり早いです。
大ラフ
線画。試行錯誤。
フランケンシュタイニーという名の骨だけの犬も入れようかとも思いましたが、さらに時間がかかりそうだったので今の時点ではやめておくことにしました。
カラーラフもやってみます。
線画・着色
顔、髪を描きこんでいく。
顔は、納得いくまで徹底的に描き続ける。
瞳はとくに念入りに。
髪は、1影2影、スクリーンで合成したあと、通常レイヤで描きこんでまとめる。
…などとにかくいろいろなことをやってみる。
絵を描くのに正解不正解はないことにようやく気が付いた頃です。
自分にとって一番いい方法、満足できる方法を模索している段階。
描きこみすべきところとそうでないところの区別がなかなかつけられず、あまり重要でないところにも時間をかけてしまっていた気がします。
描きこめば描きこむほど完成度は上がるので楽しいですが、その分当然時間もかかります。
描きこみに13時間。
その後スマホに取り込んだら気になる箇所がでてきたので、改めてさらに1時間40分描きこみました。
あとは一旦寝て朝起きて調整レイヤを少しかけてみたりする。
やってみないことには使いこなせまい。
背景
数日後、背景を追加することにしました。
背景はほとんどCLIP STUDIO ASSETSの素材に頼っています。
全身イラストの難易度に苦労した挙句、描きこみに力を使いすぎて、背景などとても描ける気がしなかったのですが、やってみると見栄えが一気にアップするので、キャラの描きこみ以上に楽しいことに気が付いてしまいました。
振り返り
作品について
■良かった点
・描きこみに入るまでが前回より10時間ほど減った
■反省点
・完成度がまだ理想とは離れている
・絵にメリハリやインパクトが欠けている気がする
・もっと効率よく(迷いなく)完成させたい
■次回への課題
・線の太さを検討してみる
・色の塗り方を検討してみる
■かかった時間
30時間
ひとこと
未来に向けて、今日なにか頑張ることがあるということは幸せなことだ、とこの頃感じています。
子供のころから武井先生のFaustⅧを真似してよく描いていた私にとって、FaustⅧは私にとって少し特別な存在です。彼の雰囲気、好きです。
FaustⅧ世主人公のスピンオフ作品、『永遠のエリザ』小説版、漫画版ともに名作です。
その結末があまりに残酷で、読み返す度、泣いてしまいます。
CLIP STUDIO ASSETS
今回お世話になった素材を紹介します。
リボンではない鎖ブラシ
骸骨
こちらは3Dキャラクターです。
エリザの骨の構造を好きな角度から見たかったので、参考にさせていただきました。
リコリスフレーム (Lycoris Frame)
ぜひ私の作品に組み込ませていただきたく、使用させていただきました。
彼岸花白ブラシ
背景に彼岸花のモチーフが浮かんだので、探したらとてもいい素材が見つかりました。
白彼岸花ブラシ
クレマチス
もともとCLIPSTUDIOプリインストールのブラシツール、花カテゴリの中に入っていたクレマチスです。
背景描き始めたきっかけがこれです。
気まぐれに、完成した絵の周りにこれを周りにばらまいてみたら…。
おや、キャラの背景も描けるかもしれない…って急に思えてきました。
子どものころお絵かき帳やチラシの裏に落書きしていたときのように、思いつくまま様々組み合わせて、合成やら変形やらいろいろやってみています。
キャラの背景はあくまでメインを引き立てるものなので、描きこみなどにあまり時間をかけたくないというのが正直なところです。
そんな私のような人間のために、日々素晴らしい素材を提供してくだ経っているクリエーターの方々に、今一度心から感謝申し上げたいです。
しかし、それでもなにから手を付けていいかわからないという方のために、僕のやり方でよければ残しておくので、よかったら。
ただ、あまりに簡単すぎて、参考にならないかもしれません。笑
背景としての素材の探し方と利用方法について
キャラクターイラストを描く
ラフでもいいですし、完成させてしまってもいいです。
描きながら、キャラの性格や置かれている状況、雰囲気、声、ストーリーなどが思い浮かびますか?思い浮かぶ方は、この時点でもう背景選びに苦労しないはずです。
自分が思い描いたストーリーや情景、雰囲気に合った素材をピンポイントで探せばいいだけなのですから。
例えば僕の場合だと、そもそもはファウストに背景をつけるつもりがなかったので、背景については本当になにも考えていなかったのですが、彼のエリザに対する愛や悲しみ、絶望を思うと涙が…まあこの話は長くなるので別の機会にしましょう。
でもそう、ここまで感情移入してしまうと、風景って見えてきませんか?完全には見えなくても、キーワードがたった一言、もしくはひと単語思い浮かべば、それが背景です。
「彼岸花」
なんとなく物憂げなこの花、彼にぴったりだと思ったので、試しに花言葉を調べてみました。
彼岸花の花言葉
情熱/独立/再開/悲しい思い出 | |
白 | 思うはあなた一人/また会う日を楽しみに |
黄 | 追想/深い思いやりの心 |
ピンク | 快い楽しさ |
オレンジ | 妖艶 |
引用元:ホルティ by GreenSnap https://horti.jp/2459
よかったです。やはり彼のイメージにぴったりでした。
そのなかでも、白の彼岸花の花言葉「思うはあなた一人/また会う日を楽しみに」は作品のイメージとしても、彼の心情としてもぴったりくるとことがあり、迷う余地はありませんでした。
花言葉は、花の色によって異なる場合もあるということを知り、これ以降必ず花言葉を調べてから作品に取り入れるかどうかを決めることにしています。
もちろんこれは僕の好きなやり方であって、正解ではありません。子どもの名前を決めるのに、画数がどうしても気になってしまう気持ちに似ているような気がします…。
言葉から花を選ぶこともありますし、使いたい花から言葉を調べることもあります。
今回はたまたまイメージと、花と、花言葉がしっくりきたので問題なかったのですが、どうしてもその花を描きたい場合は作品のコンセプトを変えますし、作品のイメージに合わない花言葉だった場合は、花の種類を再検討するなどして納得できるかたちにするなどしています。こういう場合は調べるのに時間がかかってしまったりするので、少し苦労します。
ちなみに、今回使用しているもう一つの花、「クレマチス」の花言葉を調べると「美しい精神」「旅人の喜び」「策略」などが出てきます。「美しい精神」などはファウストの純粋な愛に結びつく部分もありますし、「旅人の喜び」というところは作者である僕がドイツという国を旅したことにつながる感情もあるなどして、まあなしではないんですが、正直なところ、これはCLIP STUDIOデフォルトの素材を適当にばらまいたら好きな感じになったので、どちらかというと理屈より直感を尊重したくて使用したという気持ちが強いです。
絵を描くという、一見ひとつのことを通して様々な知識がつくことは楽しいことと感じます。
絵を描くって楽しいですよね
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参考動画
さいとうなおきさんの動画はいつもとても参考になります。
描きこみ、すりゃあいいってもんじゃあない。
それを学ぶことがことができました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。