ようこそ。
朝霞暁月です。
「絵を完成させることができない。」
イラストを描いている方の中には、そういうお悩みをもっている方もいるかもしれません。
僕がそんな悩みから解放されたきっかけが、この1枚のイラストを完成させたことでした。
この記事を読み終わるころには、そういった悩みに対して、あなたなりの解決策が見いだせるはずです。
こちらの記事は、『Funart Fragment / Sephiroth by FF7』を描いた時の作業記録をもとに、デジタルイラストを完成させることに重点を置いて解説しています。
デジ絵を完成させることができない日々を送っていた僕が一番初めに「完成」させたイラストの実例を交えながら説明しているので、絵を完成させられないというお悩みを持つ方に役に立つ内容となっております。
どうぞ、最後までお付き合いください。
Sephiroth Making
目標を掲げる
今回はとにかく、イラストを完成させることを第一目標にします。
とはいえ、絵を完成させることが出来ない人は自分の絵に納得がいかないため、いつまで経っても満足せず、完成させることが出来ないという状況だと思います。
今回掲げる目標は1つ。
絵を完成させる
これだけです。
この目標に向かって全力で進みます。
この目標を達成するために自分に足りないものはなにか、必要なことはなにか、考えてみてください。
自分の絵に納得できないという方は、目が肥えている方なんだと思います。
自分の描いた作品に、違和感を感じる。
描きたい絵はこれじゃない…。
今回も完成させられない…。
こんなことを繰り返してきたのではないでしょうか?
ここをとにかく打破しましょう。
一つ作品を完成させる流れをつかむと、2回目からはどんどん完成させられるようになります。実体験です。
さあ、ではやっていきましょう!
イメージを固める
まずはイメージを全部書き出してみます。
メモ用紙、完成イメージが浮かぶラフ、イメージボードなどを使って、こんなイラストにしたい!という想いや自分なりの課題など、絵を完成させるために思いつくもの全てを書きます。
実際に紙に書いてもいいですし、エクセルなどでまとめてもいいですが、書きだすことで自分の中で方向性が決まってくるはずです。
僕の場合はとにかくFF7のセフィロスが描きたかったので、彼の雰囲気を表現できるように調整する必要がありました。しかしそれと同時に、自分が納得するためにはオリジナルをそのまま真似るのではなく、自分の絵柄に寄せていく必要もあると感じていました。
僕のように、最初は描きたいキャラクターの二次創作でも全然いいと思います。
「描きたい!」という情熱を最後まで持ち続けることが大事です。
ただデメリットもあって、
「オリジナルの雰囲気が出せない」
「ぜんぜん似てない」
という問題に直面する場合があります。
しかしそんな風に絶望するくらいなら、モデルは版権キャラでも、途中からオリジナルにしちゃえばいいんです。どうせ似てないんですから、だれも気が付かないでしょう。
むしろラッキーです。
キャラクターの個性を表現するのがあまりうまくいかない場合は、もう思い切って服装や色味、そのキャラクターを構成している特徴的な部分を好みのものに変換して、オリキャラにしちゃいましょう。
よほど個性的な体形をしているキャラクターでない限り、人間は頭がてっぺんについていて顔には目が二つと鼻と口が一つずつあり、胴体があって手足が伸び、それぞれ5本の指が付いていることには変わりないんですから。
今回はあくまで、「イラストを完成させること」が第一目標ということをお忘れなく。
そのために出来ることは、臨機応変にやっていきましょう。
参考資料を集める
次に描きたい題材に関する資料を集めます。
集める素材のポイント
- 描きたい題材を描くうえで必要な要素
・服や小物の質感を表すもの
・人の体の動き方や形状がわかるもの - 描きたいイメージを落とし込むために必要な要素
・この雰囲気いいな、と思う写真やイラスト
・自分が描きたいイメージに近いイラスト
などですね。
自分の情熱が傾くままに、好きなようにやりましょう。
ついつい時間が経つのを忘れないように。
僕がそうなので…。
僕がイメージを固めるためによく参考にするのは下の2つのサイトです。
オシャレな画像が多く、好みだからです。
Adobestockは無料ライセンスで使用できる写真も多くあります。
ピンタレスト
Adobeストック
制作開始
大ラフを描く
さて、いよいよ制作に入っていきます。
とはいっても、ここまでイメージを固めてきたあなたなら、ここからの作業はむしろは単純作業ともいえるものになってしまうかもしれません。
- イメージしたポーズをバランスを見ながらキャンバスに反映させます。
- 次に他レイヤで色を載せます。
- 加算(発光)か覆い焼き(発光)レイヤを作って、光を当てます。
完成まで持っていくには、この時点でほぼ完成イメージを固めている必要があります。
まだ固まっていない方は、メモやイメージボードの準備不足かもしれません。
線画・着色
僕は絵を完成させるのに描きこみすぎて時間がかかり過ぎてしまい、結局はわけがわからなくなってしまうことも、イラストが完成しない要因だと感じていました。
なので迷子にならないように、作業しながら都度、気になったことや追加したい要素などをメモしながら完成を目指しました。
今回の場合だと、
・顔まわりを目立たせる
・攻撃魔法的なものを描く
・影、光に青を混ぜる
など。
なくても納得できるなら問題ありません。
ここがもうちょっとこうだったら…!という要素はもやもやに繋がりますので、面倒よりも満足を求める方はやってみてください。
確認
僕の場合は、CLIPSTUDIOのタイムラプスに記録もしていますが、定期的に作業中の画像をエクセルに張り付けて変化がわかるようにしています。最低でも1日の作業終了後にはキャプチャを撮っておくようにしています。
ずっと作品に向き合っていると客観的な目を持てなくなってきますし、変化を感じられなくていつまでも描きこんでしまうからです。
キャプチャを取っておくと、変化が一目瞭然です。
作業が進んでいることが、目に見えてわかります。
それによって、満足する出来に少しずつ近づけていくことができます。
このころはエフェクトや素材、レイヤの合成モードやツールをまだまだ使い慣れていなかったので、これを使うことだけで試行錯誤でした。また、眼の位置や光、表情は特に、納得いくまで何度も調整・加筆しました。
最初は背景なしで、これで完成としていました。
理由は、背景なんて描ける気がしなかったからです。
せっかく完成したキャライラストを台無しにする自信がありました。
背景
しかし…あるきっかけがあって、数日後にほど、背景を追加することにしました。
背景をつけるとかなり雰囲気変わりますね。
そのきっかけはこちらの記事に書いています。
振り返り
制作お疲れさまでした!
まずはイラストを完成まで持っていくことのできた自分を褒めてあげましょう!
最後にもうひとつ、やるといいことがあります。
それは、振り返りです。
良かった点や課題点について考える
今回の僕の場合はこんな感じでした。
■良かった点
・早い段階(カラーラフの段階)でイメージを整えることができた。
・手順を意識して、完成に近づけていくことが出来た。
・レイヤマスクを活用できるようになった。
・線画コピーに、ガウスぼかしなるものを初めて使ってみた。
・空気感を意識して、影色や光色に対比色の赤や緑の色味を混ぜてみた。
■反省点
・きちんと描こうとするとまだ時間がかかる。
・「完成」させるまでに納得いかない部分が多く、試行錯誤した。
・カラーラフの時には気が付かなかった構図のミスがあり、形状を修正する必要があった。
■次回への課題
・カラーラフの段階で、もっとしっかりイメージを固めておく。
・ラフの時点で線画を詰める。
・合成モードの特性を理解して確実に思った通りの効果を追加することが出来るようにする。
・ツールを有効に使う。
・作業の流れ、順番を明確にし、作業工程を少なくする。
■かかった時間
38時間
ひとこと
絵を描くのって楽しい。
ファイナルファンタジーシリーズはオンラインのもの以外全てプレイ済(リマスター版でプレイしたものもあり)ですが、その中でもFFⅦは特に思い入れのある作品です。
とにかく描いてみたかったのがこの人、セフィロスです。
語りだしたらとまらない、悪役としてのセフィロスも好きだがクライシスコアでの新羅のソルジャーとして活躍していたころのセフィロス…最高です。
今まで水彩やアクリルガッシュ、油彩などで絵を描いていましたが、デジタルになって「絵を完成させる」ということに高いハードルを感じていました。
初めてデジタルで、背景付きで一枚のイラストを完成させることができたことで「絵を完成させる」というハードルをひとつ超えた思い入れのある一枚です。
CLIP STUDIO ASSETS
背景には、CLIP STUDIO ASSETS の素材をふんだんに活用させていただいています。
デジタルの作業ではこういう素材を使っていけば、気力消耗することなくイメージに近いイラストに仕上げていくことが出来るので、素晴らしいことです。
素材を上げてくださっている皆様、本当にありがとうございます。
それでは今回お世話になった素材を紹介します。
宇宙 (Universe)
これ、ほぼまんま活用させていただいていますね…。笑
イメージ通りで、一目ぼれです。
少女漫画の羽セット
羽と言ってもかわいい系のものなど様々ありますが、絵の雰囲気に合う羽を見つけました。
絵を描くって楽しいですよね
絵を描くのが好きな方、応援してくださるかた、ぜひつながりましょう。
TwitterやPixivでフォローしていただけると制作の励みになります。
RT多めのTwitter。
僕は絵を描くのも好きですが、他人の絵を観るのも好きです。皆さんそれぞれ個性的で魅力的な絵を描いているので、素敵な絵を見つけた時はどんどんシェアします。
新作は週一くらい。
参考動画
デジタルイラストを始めるにあたって、参考になったのが焼まゆるさんのこの動画。
参考になるので、是非観てみてください。
完成させるために参考になったのはさいとうなおきさんの動画。
どちらの動画も本当に有料級の内容です。
こういった動画を上げてくださっているおかげで、僕みたいな新参者でもイラスト制作を楽しんで続けられています。
さいとうなおきさん、焼まゆるさん、本当にありがとうございます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
またお会いしましょう。